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住宅型有料老人ホームとは?入居条件やサービス内容・他の施設との違いを解説

「住宅型有料老人ホームってどんな人向け?」
「もし病気になったら医療の対応はしてくれるの?」

有料老人ホームにはいくつかの種類があって、結局どれがどのようなサービスを提供しているのかわからない方も多いのではないでしょうか。

今回は住宅型有料老人ホームについて知りたい方に向けて、他の施設の違いや、入居条件、サービス内容、費用相場などについて説明します。

住宅型有料老人ホームとは

住宅型老人ホームは、要介護度が低い方や自立して生活できる高齢者の方向けの老人ホームです。

介護サービスよりも、主に生活支援のほうが充実しており、介護専用型・混合型・自立型の3種類があります。

介護付有料老人ホームとの違い

住宅型有料老人ホームと混同されやすい施設として、介護付有料老人ホームがあります。両者の違いは、利用者の自立度にあります。

住宅型老人ホームでは生活面で自立している人や要介護度の低い方が対象になりますが、介護付有料老人ホームは主に介護が必要な方が対象になります。

介護付有料老人ホームでは食事や洗濯などの生活支援、排泄や入浴などの身体介護、リハビリ等を受けることができます。

サービス付高齢者向け住宅との違い

サービス付高齢者向け住宅(サ高住)と住宅型有料老人ホームの違いは、契約形態やサービス内容、費用などにあります。

どちらも自立されている方が利用できる点や費用負担額が近いなどの共通点がありますが、住宅型有料老人ホームのほうが要介護者でも利用が可能であり、費用も少し高い傾向にあります。

また、契約形態がサ高住では賃貸契約、住宅型有料老人ホームでは利用権方式となる点も違いの一つです。

住宅型有料老人ホームの入居条件

住宅型有料老人ホームの入居条件は、施設の種類によって異なります。
例として、東京都では以下のように分類されています(2023年6月時点)。

分類 対象者
自立のみ 入居時に自立である方
専用型(要介護のみ) 入居時に要介護認定を受けている方(要支援を除く)
混合型(自立を除く) 入居時に要支援または要介護認定を受けている方
混合型(自立を含む) 入居時に自立である方や要支援または要介護認定を受けている方

参照元:東京都「東京都有料老人ホーム設置運営指導指針(別表)」

混合型(自立を含む)の場合は夫婦のどちらかが自立している場合を想定したタイプなので、夫婦で一緒に入居できるような条件となっています。

入居時の年齢は原則60歳以上となっていますが、施設によっては60歳未満でも入居が可能な場合もあります。

軽度要介護者も入居できる

住宅型有料老人ホームは、施設によっては要支援〜要介護2の軽度要介護者も入居することができます。

公益財団法人全国有料老人ホーム協会の調査によると、全国の住宅型有料老人ホームの要介護度別の入居率は自立・要支援~要介護2の軽度要介護者が全体の48.3%を占めています。

参照元:公益財団法人全国有料老人ホーム協会「高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究 報告書」(p.46 図表要介護度別入居者数のグラフより算出)

入居の難易度は高くありませんが、施設によっては軽度の要介護者でも入居できない場合もあります。気になる施設がある場合は詳細を確認しておきましょう。

住宅型有料老人ホームのサービス内容

住宅型有料老人ホームのサービス内容は生活支援が中心であり、介護サービスや医療ケアは外部機関と連携している場合があります。

ここからは具体的なサ―ビス内容について説明します。

生活支援サービス

生活支援といっても、サービス内容は多岐にわたります。
食事や掃除など身の回りのサポートから、緊急時の対応、施設での生活に関する相談も受け付けています。

  • 食事提供
  • 掃除
  • 洗濯
  • 買い物代行
  • レクリエーション
  • イベント
  • 生活に関する相談
  • 救急車手配などの緊急時対応
  • 転倒や体調不良防止のための見守り

食事は入居者に合わせた対応が可

住宅型有料老人ホームでは栄養面にも配慮された食事が1日3食提供されます。その上で、入居者の身体状況に合わせた食事対応も可能となっています。

  • ソフト食・・・茹でたり煮込んだりして舌でも潰せるようにした食事
  • きざみ食・・・細かく刻んでペースト状にした食事
  • ミキサー食・・・ミキサーによって液状にした食事

一方で、食事対応に力を入れている施設では費用が高くなる傾向もあります。入居前に費用の確認もしておきましょう。

食事に関するレクリエーションもある

レクリエーションやイベントにはさまざまなものがあり、食事に関連するものでは料理、茶道、お月見、なかには寿司職人やそば職人が招待されるものやマグロの解体ショーをしているところもあります。

料理のレクリエーションでは誰かと一緒に取り組むことや手先を使うこと、また、作ったものを誰かに食べてもらう喜びを感じられるといったメリットがあります。

また、食事以外では体を動かすものや、脳トレ、音楽に触れるもの、季節に合わせたイベント、ご家族が参加できるものも行なわれるでしょう。

介護サービス

住宅型有料老人ホームでは生活支援が中心となるため、介護サービスの有無や内容は施設によって大きく異なります。

介護サービスを受けたい場合、別途料金を支払って外部のサービスである居宅介護支援事業者を利用することが多く、施設によっては併設しているところが多いでしょう。

リハビリや医療ケアなど人によって受けたいサービスは異なりますので、必要な費用だけを支払って、自由にサービスを選ぶことができるとも考えられます。

住宅型有料老人ホームの人員配置

自立した方や要介護が低い方を対象としていることもあり、住宅型有料老人ホームでは提供しているサービスに必要な人数が配置されていれば良いとされています。

具体的には、施設長、事務員、生活相談員、介護職員、看護職員、機能訓練指導員、栄養士、調理員、計画作成担当者(ケアマネージャー)などが配置されていますが、配置基準のない職員もあります。

住宅型有料老人ホームの設置基準

居室や浴室などの施設内の設置基準について説明します。
住宅型有料老人ホームなどの有料老人ホームの設置基準は、老人福祉法によって決められています。

参照元:「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」

居室

居室は必ず設置する義務があり、入居者一人あたり13平方メートル以上(8.5畳以上)の個室とされています。また、介護サービスを提供するための介護室や一時介護室も同様です。

施設によっては洗面台やお手洗いは居室外で共用となっている場合があります。居室内のお風呂やキッチンの有無についても確認しておきましょう。

浴室・トイレ

浴室やトイレは体が不自由な人が使用することを想定したものであることとされています。どちらも居室内に設置しない場合は全ての利用者が利用できる数を設けることとされています。

お手洗いの場合は、居室に隣接して設置することや緊急通報が可能な装置を備えることが必要です。

食堂・リビング

食堂の設置については詳細な規定はなく、サービス内容に応じて共同利用の設備として設けていれば問題ないとされています。

その他の部屋

医務室・健康管理室、看護・介護職員室、談話室・応接室、機能訓練室、洗濯室、汚物処理室、健康・生きがい施設、事務室などが設備としてあげられます。

廊下の広さは個室などの状況にもよりますが、車椅子でも安全に移動できるように1.4m以上や1.8m以上、中廊下は2.7m以上とされています。

また、施設によっては理美容室や売店などの設備を整えているとこもあるでしょう。

住宅型有料老人ホームの費用相場

施設によって幅がありますが、住宅型有料老人ホームの費用相場について説明します。

また、支払い方法にも違いがあり、入居時に入居一時金を支払う前払い方式と、前払いはせずに月額の料金を支払う方式があります。

費用の目安
入居一時金 0円~数千万円
月額利用料 10万円未満〜14万円未満

参照元:公益財団法人全国有料老人ホーム協会「高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究 報告書」

入居一時金の平均額の割合は、0円が61.6%、100万円未満が6.1%、100万円〜500万円未満が1.9%、500万円〜1,000万円が1.2%、1,000万円以上が1.6%となっており、残り27.6%は無回答となっています。

居住費・食費・共益費・生活支援費・介護サービス費・水光熱費などの合計である月額利用料は22.2%が10万円未満で平均額は112,410円です。

次いで10万円〜12万円未満が14.2%、12万円〜14万円が9.7%となっています。

住宅型有料老人ホームでの介護保険の利用料

住宅型有料老人ホームでは、介護サービスが含まれていないことから外部の居宅サービスを利用する場合が多いです。
この場合、居宅サービスの利用料は介護保険の適用となります。

利用限度額は要介護度によって決まっており、自己負担額は所得によって1割〜3割となっています。
利用限度額の範囲内なであれば1割〜3割の額を自己負担しますが、限度額以上の利用の場合は超えた分が全額自己負担となります。

【居宅サービスの利用限度額・自己負担額】

等級 1か月あたりの利用限度額 自己負担額(1割の場合)
要支援1 50,320円 5,032円
要支援2 105,310円 10,531円
要介護1 167,650円 16,765円
要介護2 197,050円 19,705円
要介護3 270,480円 27,048円
要介護4 309,380円 30,938円
要介護5 362,170円 36,217円

参照元:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索|サービスにかかる利用料」

また、介護サービス利用による自己負担額が高額になってしまう方に向けた軽減措置の制度についても紹介します。

【介護保険の自己負担額を抑える軽減措置】

制度 内容
高額介護サービス費制度 所得の区分に応じて設定された上限額があり、自己負担額がその額以上となった場合、超過分が介護保険から支給される制度
高額医療・高額介護合算療養費制度 年間の医療費と介護サービス費の自己負担額の合計が、割り当てられた所得区分の自己負担限度額以上となる場合、申請することによって自己負担の一部が支給される制度

参照元:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索|サービスにかかる利用料」

介護サービスについて考えると費用が心配になるものですが、介護保険の適用や軽減措置によって自己負担額を抑えることが可能です。

住宅型有料老人ホームを選ぶときのポイント

住宅型有料老人ホームを選ぶときのポイントは、以下の通りです。

【住宅型有料老人ホームのチェックポイント】

  • 立地
  • 施設の設備
  • 口コミや評判
  • 費用
  • 施設内の雰囲気
  • レクリエーションやイベント内容
  • 介護サービスの利用方法

立地や費用などの基本的なことはもちろん、生活支援がメインとなる住宅型有料老人ホームではレクリエーションやイベントの内容もチェックしておいたほうが良いでしょう。

また、住宅型有料老人ホームの介護サービスは施設によって異なりますので、少しでも介護サービスの利用を想定している場合は利用までの流れも確認しておきましょう。

まとめ

住宅型有料老人ホームは、自立して生活のできる高齢者の方や要介護度の低い方が対象となる有料老人ホームです。
費用やサービス内容などは施設によって異なるため、詳細なことは気になる施設に問い合わせてみてください。