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日本で最も古い近代植物園「小石川植物園」

文京区白山には、日本最古の近代植物園である「小石川植物園」(正式名:東京大学大学院理学系研究科附属植物園)があります。

植物学の研究・教育を目的とした東京大学附属の施設ですが、一般にも公開されており、さまざまな植物を見ることができます。

周辺エリアは閑静な住宅街に囲まれており、巨大な樹木たちが園内から人々が暮らす空間を見下ろしているのが印象的です。

小石川植物園の歴史と変遷

小石川植物園の前身は、徳川幕府が貞享元(1684)年に小石川御殿(白山御殿)の敷地の一部に設けた「小石川御薬園」です。

享保7(1722)年には、薬園内に貧民救済のための施薬院「小石川養生所」も設けられ、幕末までの約140年間、江戸の貧しい町民に無償で医療が提供されていました。

養生所で使われていた井戸は現在も残っており、大正12(1923)年に関東大震災が起きた際には、避難者のための飲料水として利用されたそうです。

東大附属の植物園となったのは、東京大学が創立した明治10(1877)年。

敷地内には長い歴史を物語る遺構や植物が各所に残されており、「薬園保存園」では、徳川時代の薬園で栽培されていた約120種の薬用植物が栽培されています。

遺伝学の基礎を築いたメンデルが実験に用いたブドウの分株、ニュートンの生家にあったリンゴの木の接ぎ木、精子発見のイチョウの大木など、植物の専門家でなくても興味が惹かれる見所が満載です。

小石川植物園へのアクセス方法

小石川植物園は白山台地の斜面に位置しており、都営三田線の白山駅から歩いて10分ほどの場所にあります。

東京メトロ丸ノ内線の茗荷谷駅からは、徒歩約15分。

茗荷谷駅から向かう場合は、「文京さくらまつり」の会場としても有名な桜の名所「播磨坂さくら並木」の坂道を下っていくのがおすすめです。

播磨坂は幅の広い車道ですが、中央部が遊歩道となっており、彫刻アートやベンチなども設置されているので、のんびり散策しながら坂下にある小石川植物園まで行くことができます。

どちらの駅を利用しても高低差のある坂道を歩くことになるため、坂が苦手な場合はバスを利用するのがよいでしょう。

都営バスに乗って「白山2丁目(東大植物園前)」で降りるか、文京区のコミュニティバス「B-ぐる」を利用して「共同印刷」の停留所で降りれば、植物園の入り口まで徒歩約3分でアクセスできます。

閑静な住宅街にある日本の近代植物学発祥の地

小石川植物園は、日本の植物学の礎を築いた植物学者たちが多く活躍した「日本の近代植物学発祥の地」としても知られています。

2023年に放送されたNHK連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルとなった牧野富太郎博士も、小石川植物園を研究拠点としていた植物学者の一人。

理学博士号の授与式でのシーン(第128話/最終回の2話前)は、実際に小石川植物園で撮影されたそうです。

そんな植物学の聖地ともいえる小石川植物園の正門は、交通量の多い「千川通り」から少し入った静かな通り沿いにあり、周辺には由緒ある高級住宅街が広がっています。