文京区本駒込にある「東洋文庫ミュージアム」は、東洋学専門の研究図書館「東洋文庫」に併設されているミュージアムです。
独特な展示演出が話題ですが、なかでも約2万4千冊もの書物が並ぶ巨大な本棚(モリソン書庫)の美しさは圧巻で、「日本一美しい本棚」とまで呼ばれています。
明るく開放的な中庭の先にはレストランがあり、本館からお店へとつながる「知恵の小径(こみち)」もフォトジェニックスポットとなっています。
東洋の豊かな歴史と文化が学べるミュージアム
東洋文庫は日本最古・最大の東洋学の研究図書館で、世界5大東洋学研究図書館の一つにも数えられています。
設立されたのは、大正13(1924)年。
創設者である三菱財閥の3代目社長・岩崎久彌が、大正6(1917)年に英国タイムズ紙の北京特派員だったオーストラリア人、ジョージ・アーネスト・モリソンの蔵書を購入したのが始まりです。
その後、一般の人々に東洋学について興味を持ってもらうことを目的に、貴重書を展示する東洋文庫ミュージアムが平成23(2011)年に開館しました。
蔵書総数は、国宝5点と重要文化財7点を含んだ約100万冊。
ミュージアムではこれらの貴重な資料を生かした企画展が開催されるだけでなく、講演会やワークショップ、音楽会などのイベントも行われています。
大通りに面したモダンな建物の美術館
東洋文庫ミュージアムの建物はシンプルかつスタイリッシュな外観で、隣に並んで建っている「駒込警察署」の昭和時代の庁舎との対比が印象的です。
都営三田線の千石駅から7分ほど歩いた場所にあり、JR山手線と東京メトロの南北線が乗り入れる駒込駅からも歩いて約8分の距離にあります。
都営バスを使って「上富士前」のバス停で降りれば、徒歩1分。
文京区のコミュニティバス(B-ぐる)の停留所である「昭和小学校(上富士前)」も近くにあるので、バスをうまく利用してアクセスするのもよいでしょう。
都会の中で穏やかな生活が送れるエリア
東洋文庫ミュージアムは江戸の二大庭園の一つである「六義園」にほど近く、両スポットをセットで訪れる人も多く見られます。
六義園の敷地は北側にある駒込駅近くまで広がっていますが、かつては東洋文庫が位置しているエリアも同じ敷地内にありました。
六義園を中心とした一角(本駒込6丁目)は、政財界の著名人にも愛されてきた「大和郷(やまとむら)」と呼ばれる高級住宅街。
交通量の多い大通り(本郷通り、不忍通り、白山通り)に囲まれているとは思えないほど、静かで穏やかな雰囲気に包まれています。
ミュージアムが面している不忍通り沿いには、ショッピングモールやオフィスビル、住宅ゾーンなどが合わさった複合施設「文京グリーンコート」があって、都会らしい暮らしやすさが感じられます。