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森鷗外が暮らした旧居の跡地に建つ「森鷗外記念館」

文京区千駄木にある「森鷗外記念館」は、文豪・森鷗外の生涯と功績に触れることができる文京区立の文学館です。

鷗外が半生を過ごした旧居「観潮楼(かんちょうろう)」の跡地に建てられており、この地で「青年」「雁」「阿部一族」などの代表作が執筆されました。

落ち着いたコンクリート色の館内にはカフェも併設されていて、大きなガラス窓を通して鷗外ゆかりの庭園が眺められる空間になっています。

鷗外によって名づけられた「観潮楼」

森鷗外は1892(明治25)年から30年間、1922(大正11)年に60歳で死去するまで、文京区千駄木の地で暮らしました。

鷗外が「観潮楼」と名づけた邸宅の2階からは、遠くに品川沖が眺められたといわれています。

建物は火災と戦災によって焼失してしまいますが、1962(昭和37)年、鷗外生誕100年の年に、記念室を併設した「文京区立鷗外記念本郷図書館」が観潮楼の跡地に開館。

2006(平成18)年、図書館が跡地から徒歩3分ほどの場所に移転(現:文京区立本郷図書館)した際、「本郷図書館鷗外記念室」として独立しました。

その後、鷗外記念室は遺品資料の保存環境改善に向けて改築されることとなり、2008(平成20)年に休室。

庭園のみ開放されていましたが、鷗外が誕生して150年目となる2012(平成24)年に「文京区立森鷗外記念館」として生まれ変わりました。

団子坂上に凛とたたずむ記念館

森鷗外記念館は、東京メトロ千代田線の千駄木駅から徒歩5分ほどの場所にあります。

駅から記念館までは団子坂の坂道を上ることになりますが、鷗外が住んでいたころの坂は現在よりも道幅が狭く、傾斜もきつかったそうです。

千駄木駅は記念館の東側に位置していますが、西側にも地下鉄の駅があって、徒歩約10分で南北線の本駒込駅、徒歩約15分で都営三田線の白山駅にアクセスすることができます。

記念館の南側に鎮座する「根津神社」から向かう場合は、鷗外のかつての散歩道「薮下(やぶした)通り」を上っていくのがよいでしょう。

都営バスを使う場合は「千駄木一丁目」のバス停で下車すれば、徒歩1分。

文京区内を巡るコミュニティバス「B-ぐる」の停留所「特養ホーム千駄木の郷」も歩いて5分ほどの場所にあって、道沿いには本郷図書館があるので、立ち寄ってみるのもおすすめです。

ノスタルジックな魅力あふれる散歩天国

森鷗外記念館が位置しているのは、東京屈指の人気の散策エリアとして知られる「谷根千(やねせん)」です。

谷根千とは、文京区東部から台東区西部に広がる「谷中・根津・千駄木」を略した総称で、懐かしさと新しさが共存しているのが魅力のエリア。

近代文学が花開いた地でもあることから、作品の舞台となった場所や文豪ゆかりのスポットが街の至るところに存在しています。

根津神社の境内では、鷗外や夏目漱石が腰を下ろしたと伝わる「文豪の石」や、鷗外が日露戦争記念として奉納した砲台を見ることができます。

下町の郷愁が漂う「谷中銀座商店街」や、新旧・和洋の店が連なる「よみせ通り商栄会」など、人情味のある商店街をぶらりと歩くのも楽しいでしょう。