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戦後政治の舞台にもなった華麗なる洋館「鳩山会館」

文京区音羽にある「鳩山会館」は、元総理大臣・鳩山一郎の私邸として大正時代に建てられたイギリス風の洋館です。

現在は記念館として一般公開されており、建物内では鳩山家四代の記念品や愛蔵品、重要な政治の舞台となった応接室などを見学することができます。

重厚な洋館の前にはバラが咲き誇る庭園が広がっており、当時の洋風建築の魅力が存分に味わえる場となっています。

建物の歴史と芸術的価値

関東大震災の翌年となる1924(大正13)年、鳩山一郎は父・鳩山和夫が明治期に居を構えた音羽の地に洋館を建てました。

当時としては珍しい鉄筋コンクリート造りの洋館で、館内には鳩をモチーフにしたきらびやかなステンドグラスが随所に配されています。

邸宅の設計を手がけたのは、鳩山一郎の友人の岡田信一郎。

大正・昭和期を代表する建築家で、古典主義様式の最高傑作として評される「明治生命館」の設計者としても知られています。

館内に装飾されたステンドグラスは、小川三知(おがわさんち)の作品です。

日本におけるステンドグラス作家の草分け的な存在ですが、現存している作品数は少なく、大変貴重なものとなっています。

鳩山一郎の没後、築後70年を経て老朽化が著しくなったため、1995(平成7)年に最新技術を駆使した大改修が行われ、記念館機能と集会機能を兼ね備えた「鳩山会館」として生まれ変わりました。

音羽通り沿いの正門から閑静な高台の邸宅へ

鳩山会館は、東京メトロ有楽町線の江戸川橋駅から歩いて約7分、同路線の隣駅・護国寺駅からも約8分の場所に位置しています。

地下鉄の両駅を結ぶ頭上には「音羽通り」が走っており、都バスを使うと「音羽一丁目」のバス停から歩いて2分ほどでアクセスできます。

入り口である石の正門は通りに面していますが、邸宅までのアプローチは長い坂道になっていて、大きくカーブする坂道を上り切った先に重厚な洋館が現れます。

鳩山一郎が首相当時、第二応接室では首相として決断した日ソ国交回復の下準備も行われるなど、鳩山邸は重要な政治の舞台となっていました。

車やタクシーが正門からそのまま坂の上まで行ける道路を歩き、車寄せがある玄関前に到着すると、重要な来客を迎え入れていた往時の光景が思わず目に浮かぶでしょう。

エリアの特徴は谷戸の傾斜地と谷筋の大通り

鳩山会館の正門が面している音羽通りの交通量は多く、通り沿いには中高層階のビルやマンションが立ち並んでいます。

音羽通りに平行して「首都高速5号池袋線」も走っていますが、高架や大通りから離れると雰囲気は一変、驚くほど閑静になります。

東側は鳩山会館がある「小日向台地」、反対側の西側は東京カテドラル聖マリア大聖堂やホテル椿山荘東京のある「関口台地」。

音羽通りは二つの高台に挟まれた谷筋の道となっており、通りから離れて坂道を上るにつれて、街の雰囲気が「山の手」の表情に変わっていきます。

通り沿いには飲食店や商店、コンビニや小さめのスーパーもありますが、買い物をする際は、昔ながらの商店街もある江戸川橋駅周辺まで行くのがおすすめです。