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華族邸宅の敷地で学ぶ伝統ある学生寮「和敬塾」

文京区目白台にある「和敬塾」は、昭和初期の華族邸宅である旧細川侯爵邸の敷地内にある男子大学生のための寮です。

細川邸時代からの古い木々が残る緑豊かな環境の中、出身も大学も年齢も異なる学生たちが共同生活を送っており、村上春樹が一時期入寮していたことでも知られています。

旧細川侯爵邸(和敬塾本館)は東京都の有形文化財に指定されており、映画やドラマの撮影やガーデンウェディングの会場としても利用されています。

和敬塾誕生の経緯と歴史的背景

和敬塾を設立したのは、前川製作所の創業者でもある実業家・前川喜作です。

1955(昭和30)年、終戦後の人心の荒廃を憂慮していた前川喜作は、「共同生活を通した人間形成」を趣旨とする「公益財団法人和敬塾」を創立。

その際、目白台の細川家の敷地を購入して、和敬塾の寮棟を建てました。

約7000坪もの広大な敷地内には東西南北に4つの寮が存在しており、1936(昭和11)年に建てられた「和敬塾本館」と呼ばれる旧細川侯爵邸も遺されています。

同邸は、江戸期から続く細川家下屋敷の敷地内に細川護立侯爵(旧肥後熊本藩主細川家の第16代当主で細川護煕元首相の祖父)が建てた本邸で、都の有形文化財にも指定されています。

和敬塾本館では各界の著名人を招いた講演会も開催されており、貴重な文化財として保存される一方で、寮生の知育、徳育の場としても積極的に活用されています。

正門は目白通りのバス停からすぐ

和敬塾は新宿区に近い場所に位置しており、区境を東西に流れる神田川を超えたところに東京さくらトラム(都電荒川線)の早稲田停留場があります。(徒歩約7分)

東京メトロ有楽町線の護国寺駅や、副都心線の雑司が谷駅からは徒歩約10~15分、東西線の早稲田駅や有楽町線の江戸川橋駅も徒歩圏内です。

都営バスを利用して「目白台三丁目」で下車すると、バス停から徒歩1分。

文京区のコミュニティバス「B-ぐる」を利用すると、「目白台一丁目」の停留所から徒歩3分ほどで和敬塾の正門にアクセスできます。

基本的に関係者以外は敷地内に立ち入れませんが、原則非公開の和敬塾本館(旧細川侯爵邸)が一般公開される際には正門から入ることができます。

有料での定員制の一般公開(毎年5月から12月:月に1~2回程度)となるため、見学を希望する場合は事前の申し込みが必要です。

豊かな自然に囲まれた閑静なエリア

和敬塾のすぐ北側には交通量のある目白通りが走り、護国寺駅や江戸川橋駅近くにも首都高速5号池袋線が走っていますが、周辺環境は驚くほど緑豊かです。

敷地の東側には「関口芭蕉庵」や「ホテル椿山荘東京」、南側には細川邸時代に同じ敷地内にあった「肥後細川庭園」や「永青文庫」が隣接。

西側には、区立最大の面積を誇る「目白台運動公園」も広がっているなど、エリア全体が豊かな自然に包まれている印象です。

また、和敬塾とホテル椿山荘東京の間には「胸突坂」、目白台運動公園との間には「幽霊坂」があり、敷地の両脇が情緒豊かな坂道に挟まれているのも特徴です。

坂を下りたところには神田川が流れており、春にはソメイヨシノが川を覆うように咲き誇る美しい光景が見られます。