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芭蕉が生きた時代の面影が感じられる「関口芭蕉庵」

文京区関口にある「関口芭蕉庵」は、江戸時代の俳人・松尾芭蕉がかつて暮らした場所として伝えられている史跡です。

歴史的な庭園や文化的スポットが多く存在するエリアにあり、ホテル椿山荘東京の広大な敷地に隣接していることでも知られています。

緑豊かな庭園内には湧き水が溜まる池があり、芭蕉の句碑なども点在しているため、往時に想いを馳せながら散策することができます。

神田上水と芭蕉とのつながり

松尾芭蕉は神田上水の改修工事に携わっており、1677年からの3年間、この地にあった水番屋(水質や水量を管理する役人のための詰所)で暮らしていたといわれています。

その後、芭蕉を慕う人々によって「芭蕉庵」と呼ばれるようになりますが、太平洋戦争中の空襲によって焼失。

現在の建物は、第二次世界大戦後に再建されたものになります。

緑が生い茂った庭園の池泉は、約15メートル段差がある崖下からの湧き水で、「東京の名湧水57選」にも選定されています。

庭の中心には日が射し込む時間帯によって表情を変える瓢箪(ひょうたん)池があり、池の周りには多くの紅葉が植えられているため、秋には鮮やかな彩りも楽しめます。

木漏れ日が美しい急坂に面した入り口

関口芭蕉庵は、東京メトロ有楽町線の江戸川橋駅や、東京メトロ東西線の早稲田駅から徒歩約15分の場所に位置しています。

歩いて約6分の場所には東京さくらトラム(都電荒川線)の早稲田停留場もあるので、東京唯一の都電である路面電車に乗ってアクセスするのもおすすめです。

芭蕉庵の正門は神田川沿いの遊歩道に面していますが、普段は閉じられていて、西側の胸突坂(むなつきざか)側にある小さな通用口が入り口になっています。

胸突坂は手すりつきの階段になっている坂道で、その勾配の激しさから坂の途中に休憩スペースが設けられているほど。

芭蕉庵の入り口は傾斜がきつくなる階段の手前にあり、坂を上がった先には交通量の多い「目白通り」が走っています。

目白通りには文京区のコミュニティバス「B-ぐる」の停留所(目白台一丁目)や、都バスのバス停(目白台三丁目)があるため、バスを使うことで坂の上から芭蕉庵にアクセスすることが可能です。

坂を隔てた先は目白台エリア

急坂で知られる胸突坂は、関口と目白台のちょうど境界部分にある坂です。

そのため、坂のすぐ西側には「肥後細川庭園」や「永青文庫」といった目白台エリアの代表的なスポットがあり、関口芭蕉庵とあわせて立ち寄ることができます。

都会ながら緑が占める割合が非常に多い、関口・目白台エリア。

神田川沿いに東西に広がる江戸川公園、目白通り沿いの目白台運動公園、関口台地の東斜面を利用している関口台公園など、ホテル椿山荘東京や肥後細川庭園以外にも地域の人々に親しまれている緑豊かな場所がたくさんあります。

歴史や文化、四季折々の風情や花々が楽しめる観光地として魅力的なだけでなく、落ち着いて暮らせるエリアとしても根強い人気があるエリアです。