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大名庭園の面影で都会の日常に溶け込む「須藤公園」

文京区千駄木にある「須藤公園」は、加賀藩支藩の大聖寺(だいしょうじ)藩の屋敷跡にある区立公園です。

起伏ある土地を利用してつくられている回遊式庭園で、高低差のある園内には10メートルもの高さがある滝や、弁財天の祠が祀られている池があります。

また、滑り台やブランコが設置された遊具広場もあるなど、親しみやすい公園としての要素も多く、地元の人々の日常に溶け込んでいるのが印象的です。

区民公園となる背景と名称の由来

須藤公園という公園名に注目すると、区民公園になるまでの背景が見えてきます。

須藤公園は大聖寺藩主・松平備後守の屋敷跡ですが、明治維新後は長州出身の政治家・品川弥二郎の邸宅地となりました。

1889(明治22)年に、この場所を実業家の須藤吉左衛門が買収。

その後、須藤家によって、1933(昭和8)年に公園用地として東京市(東京都の前身)に寄付されています。

文京区への移管は1950(昭和25)年のことで、区によって区民に活用される公園にするための改修や造園が行われました。

2018(平成30)年には大規模な改修工事が行われており、安全面が強化されるとともに、公園全体の明るさや高台からの見通しも改良されています。

千駄木駅のすぐ裏手に位置する穴場スポット

須藤公園の最寄り駅は、東京メトロ千代田線の千駄木駅。

駅から歩いてわずか2分の場所にあるので、駅を利用する際に通り道として立ち寄る人も少なくないようです。

斜面地にクスノキなどの大木が生えているため、豊かで深い緑が印象的ですが、四季ごとに変化する彩りの変化も楽しめます。

庭園の中心的存在ともいえる池の周りには美しい藤棚が設けられており、4月末頃から5月上旬にかけて香り豊かな花を咲かせます。

秋の紅葉も美しく、晴れた日に高台部分から池を見下ろせば、水面に映る空の青さと色づく木々たちとの共演が見られるでしょう。

古さの中にトレンドが光る千駄木エリア

文京区千駄木界隈は、同区の根津や台東区の谷中とともに「谷根千(やねせん)」という愛称で親しまれているエリアです。

須藤公園はJR山手線や京成スカイライナー、東京交通局の日暮里・舎人ライナーなど、多くの路線が利用できる「日暮里駅」からも徒歩圏内。

途中には谷根千の人気スポット「谷中銀座商店街(通称:谷中ぎんざ)」があるので、昔ながらの商店街を散策しながらのんびりアクセスするのもよいでしょう。

千駄木駅や須藤公園の近くには、「旧安田楠雄邸庭園」や「森鷗外記念館(観潮楼跡)」など、文化価値の高い魅力的なスポットも数多くあります。

歴史や文化、下町情緒が感じられるのが特徴の千駄木エリア。

その一方で、トレンドを意識したおしゃれなカフェやレストランなどもあって、古さの中にキラリと光る新しさも魅力です。