播磨坂さくら並木のさくらまつり(文京さくらまつり)は、四季折々の花をテーマに文京区内で催されている「文京花の五大まつり(桜・ツツジ・紫陽花・菊・梅)」の一つです。
一般道でもある緩やかな坂道に沿って、満開の桜が咲き誇る光景は必見。
開催時期には地元の住民はもちろん、区内外から多くの人が訪れて、賑やかなイベントや美しい桜並木の風情を楽しんでいます。
戦後に誕生し、地元住民が育てた公園道路
文京桜まつりは、小石川4丁目と5丁目の境に位置する「播磨坂」を会場にして、1971(昭和46)年度から行われています。
坂の名称は、江戸時代、この地に松平播磨守の上屋敷が置かれていたことに由来します。
播磨坂は第二次大戦後の戦後復興事業によって誕生した都市計画道路で、環状3号線の一部として整備が行われていましたが、その後、計画が変更。
1960(昭和35)年に坂の舗装が行われた際に、「全区を花でうずめる運動」の一つとして地元の人々の手によって桜の若木が植えられ、現在のような並木道が形成されました。
長さ460メートル、幅40メートルの道路の中央部には、彫刻や小川がある遊歩道が存在しており、道の左右だけでなく遊歩道にも桜の樹が連なっています。
そのため、見ごろとなる時期には道路全体が桜のトンネルに覆われて、とても華やかです。
散歩しながらアクセスできる播磨坂
播磨坂は、東京メトロ丸ノ内線の「茗荷谷駅」から徒歩約7分の場所にあります。
茗荷谷駅は巨大ターミナルの池袋駅まで2駅、逆方面の東京駅へもダイレクトで約10分で行けるなど、交通利便性に優れた駅として知られています。
駅前に走る「春日通り」を後楽園駅方面に歩くと小石川五丁目の信号があり、この場所の左手側が、いわゆる播磨坂の頂上部分。
坂を下った先には、日本最古の植物園として知られる「小石川植物園」があります。
都バスを利用する場合は「小日向四丁目」や「小石川四丁目」で下車すれば、徒歩1分。
文京区のコミュニティバス「B-ぐる」に乗れば、坂の途中にある「胡蝶蘭専門店らんや(播磨坂)」の停留所で降りれば目の前です。
花と緑が存在感を放つ小石川エリア
播磨坂の周辺には桜並木以外にも自然豊かなスポットが多く存在しています。
前述の小石川植物園は、およそ16ヘクタール(東京ドーム約3.5個分)もの広大な敷地を有する東京大学附属の研究学習施設。
一般公開されている園内には約4000種もの植物が栽培されており、野趣に富んだ四季折々の自然の景色を楽しむことができます。
茗荷谷駅のすぐ近くには緑豊かな「教育の森公園」が広がっていて、「窪町東公園」や「占春園」、「文京スポーツセンター」も隣接しているため、エリア一帯が区民に親しまれる憩いの場となっています。
また、多くの教育機関が存在する文教地区としても有名です。
小石川エリアの自然豊かな環境は、安らぎや癒しを与えるだけでなく、子どもが学び、成長する過程においても重要な役割を果たしているといえるでしょう。