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自然地に近い姿で息づく昔日の大名庭園「占春園」

文京区大塚にある「占春園(せんしゅんえん)」は、旧東京教育大学の跡地(現:筑波大学キャンパスの敷地)に位置している大名庭園の名残です。

文京区との協定に基づいて自然公園として一般公開されている一方で、筑波大学附属小学校の自然観察の場としても活用されています。

多くの住民が利用する「教育の森公園」や「文京スポーツセンター」にも隣接しており、エリア一帯が区民に親しまれる憩いの場となっています。

江戸三名園とも称された大名庭園の遺構

1659年に松平頼元(徳川光圀の弟)の屋敷に作成された占春園は、往時は青山の池田邸、溜池の黒田邸と並ぶ「江戸の三名園」の一つに数えられていたそうです。

大名庭園の遺構が見られるものの、現在は自然地に近い状態となっており、同じ文京区内の「肥後細川庭園」や「ホテル椿山荘東京」のような美しい日本庭園とは趣を異にしています。

池を中心に斜面と低地からなる園内には、さまざまな樹木がうっそうと生い茂っており、シロマツやダイオウショウといった珍しい木々も見られます。

隣接している「教育の森公園」は明るく開放感があるため、占春園のある一角に足を踏み入れると、まるで別世界の森に迷い込んだかのような印象を受けるでしょう。

茗荷谷駅から徒歩約5分

占春園がある筑波大学東京キャンパス文京校舎は、東京メトロ丸の内線の茗荷谷駅から歩いて数分の場所にあります。

駅前を走る「春日通り」を渡り、鮮やかなオブジェが並ぶ「カイザースラウテルン広場」を横目に歩くと、筑波大学と放送大学の文字が並ぶ正門が見えてきます。

キャンパスの左側には「教育の森公園」と「文京スポーツセンター」があり、右側には細長い「窪町東公園」が湯立坂の坂下まで続いています。

緑豊かな敷地一帯は穏やかな雰囲気に包まれており、通行量の多い大通りから少し入った場所にいるとは思えないほど静か。

占春園はキャンパスの裏側に位置しているため、教育の森公園側と窪町東公園側にそれぞれ入り口があり、無料で入ることができます。

周辺エリアは文京区随一ともいえる文教地区

都内有数の文教地区として知られている文京区ですが、とりわけ茗荷谷駅の周辺エリアの教育水準は高く、数多くの学校が存在しています。

駅前には、中央大学、拓殖大学、跡見学園女子大学のキャンパスがあり、文京区のエリート公立小として名高い「窪町小学校」も徒歩2分の場所に位置しています。

さらに、東京都内にある国立大学附属の小学校6校のうち半数もの3校(筑波大学附属小・東京学芸大学附属竹早小・お茶の水女子大学附属小)も徒歩圏内にあるなど、教育レベルの高さは文京区随一。

名門校が多くあることが、エリア全体のモラルや治安の良さにもつながっているといえるでしょう。

茗荷谷駅は駅ビルも併設しており、駅前にはスーパーやドラッグストア、コンビニ、100円ショップ、ファミレスなども揃っているので、買い物にも便利で生活しやすいエリアです。