文京区目白台にある「肥後細川庭園」は、熊本藩主・細川家の下屋敷があった場所に位置している区立公園です。
高低差のある台地の特徴を生かした池泉回遊式庭園となっており、無料で入れる本格的な大名庭園としても知られています。
園内には細川家の学問所として使われていた「松聲閣(しょうせいかく)」があり、建物内からの庭園の光景も絶好のビューポイントとなっています。
大名屋敷の面影が残る純日本式の武家庭園
肥後細川庭園が位置している地は、江戸中期以降に旗本の邸地となった場所で、幕末頃に肥後熊本54万石の藩主・細川越中守の下屋敷、抱屋敷になったといわれています。
1882(明治15)年には細川家の本邸となり、第二次世界大戦後、数度に渡って所有者が変わった後、東京都が買収して1961(昭和36)年に「新江戸川公園」として開園。
文京区に移管されたのは1975(昭和50)年のことで、2017(平成29)年に公募によって現在の「肥後細川庭園」に名称が変更されました。
正門を入ってすぐ左側にある「松聲閣」は大正時代の建築物で、耐震などの整備工事が行われた後、2016(平成28)年にリニューアルオープン。
大正ロマンの魅力あふれる建物内には、庭園を見下ろせる展望所や庭園の絶景とともに抹茶や和菓子が楽しめる休憩室(喫茶)のほかにも、イベントやサークル活動などに利用できる集会室があり、コミュニティの場としても活用されています。
肥後細川庭園への入り口は4つ
東京さくらトラム(都電荒川線)や都営バスの「早稲田駅」を出て、神田川に架かる橋を渡って少し歩くと、閑静な住宅街の一角に肥後細川庭園の正門が現れます。
文京区のコミュニティバス「B-ぐる」を使う場合は「目白台一丁目」で下車し、庭園に隣接する美術館「永青文庫」とつながる通用門を利用するのが便利です。(月曜および休館時は閉門)
どのアクセス方法でも、駅や停留所から徒歩5分ほど。
東京メトロ東西線の早稲田駅や、有楽町線の江戸川橋駅から向かう場合は、正門ではなく南門を利用するとよいでしょう。(徒歩約15分)
門が開いている時間はそれぞれ異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
都会の喧騒から一歩距離を置く目白台エリア
神田川がすぐ近くに流れる目白台は、水と緑にあふれた落ち着きのあるエリアです。
周辺には日本女子大学や早稲田大学のキャンパスや、区立最大の面積(約3万平方メートル)を誇る「目白台運動公園」があるため活気も感じられます。
目白通り沿いや都電の早稲田駅近くには「ミニコープ」や「まいばすけっと」など小型スーパーの店舗が点在しており、買い物環境も充実。
肥後細川庭園から徒歩3分の場所には「ダイエー高田店・イオンフードスタイル」があり、24時間営業でありながら、閑静な住宅街の中に溶け込んでいるのが印象的です。
都会の喧騒から一歩距離を置きながら、歴史や文化、住民の生活を大切にしている街・目白台は、どんな世代も安心して暮らせる街といえるでしょう。