文京区の北東端にある「千駄木駅」は、荒川区と台東区に近い場所に位置している駅です。
千駄木界隈には昭和レトロの雰囲気が色濃く残っており、隣接する同区の根津や台東区の谷中とともに「谷根千(やねせん)」という愛称で親しまれています。
谷根千の人気スポット「谷中銀座商店街(通称:谷中ぎんざ)」に近いことから観光客の姿も多く見られますが、全体的に穏やかで静かな雰囲気が広がるエリアです。
幅広い交通網につながる利便性の高さ
千駄木駅に乗り入れているのは東京メトロ千代田線の1本だけですが、交通アクセスの利便性は驚くほど良好です。
隣駅の西日暮里駅まで1分で出られて、JR山手線や京浜東北線、東京都交通局の日暮里・舎人ライナーに乗り継げるうえ、逆方向に乗れば約8分で丸ノ内線、東西線、半蔵門線、都営三田線が利用できる大手町駅に移動できます。
また、千代田線は代々木上原駅から小田急小田原線に、綾瀬駅からはJR常磐線各駅停車に直通運転をしているため、郊外からのアクセスも便利。
さらに、文京区の「B-ぐる」と台東区の「めぐりん」、それぞれの区のコミュニティバスが利用しやすい点も見逃せないポイントです。
人と歴史と緑が織りなす周辺スポット
千駄木駅の東側には日暮里駅があり、歩いて10分ほどで移動することができますが、その途中には昔懐かしい商店が立ち並ぶ「谷中銀座商店街」があります。
商店街のすぐ近くには「夕やけだんだん」と呼ばれている階段があり、夕暮れの時間帯には夕焼けに染まった下町の美しい景色が見下ろせます。
千駄木駅の西側にも魅力的なスポットが数多くあります。
駅の近くには大名庭園の面影を残す「須藤公園」があり、高低差のある園内には約10メートルの高さがある滝があって、住宅街の中とは思えないほど風情豊かです。
「旧安田楠雄邸庭園」では大正・昭和期の山の手住宅の庭園が楽しめる一方で、太田道灌ゆかりの屋敷の森「千駄木ふれあいの杜」にはワイルドな自然が手つかずのまま残されています。
また、森鷗外が半生を過ごした旧居・観潮楼(かんちょうろう)の跡地にある「森鷗外記念館」や、江戸川乱歩の小説「D坂の殺人事件」に登場する「団子坂」など、文豪ゆかりの場所や作品の舞台が点在しているのも特徴です。
充実した生活環境のある安全な街
歴史や文化、ディープな下町情緒が感じられる一方で、トレンドを意識したおしゃれなカフェやレストランもあるなど、千駄木エリアでの楽しみ方は多種多様。
そんな魅力ある観光スポットが満載の千駄木ですが、生活環境も充実しています。
大型の商業施設はないものの、昔ながらの商店街が地元民の暮らしを支えており、スーパーやコンビニもあるため、買い物する場所には困りません。
休日などは駅周辺や谷中銀座商店街では賑やかさが目立ちますが、全体的に閑静な住宅街が広がっているため、犯罪の発生件数も非常に少なくなっています。