top
サポート トップ エリア 心優しき閻魔大王がいる「源覚寺(こんにゃくえんま)」

心優しき閻魔大王がいる「源覚寺(こんにゃくえんま)」

文京区小石川にある「源覚寺」は、「こんにゃくえんま」として有名なお寺です。

参道正面の閻魔堂に「閻魔王木造坐像」が安置されており、眼病平癒の「こんにゃくえんま」として、古くから庶民の信仰を集めています。

気軽に立ち寄って参拝することができるアクセスのよい場所にあり、文京区の夏の風物詩である「文京ほおずき市」の会場にもなっています。

昭和レトロな商店街に面した参道

源覚寺への最寄駅は後楽園駅と春日駅で、両駅は連絡駅としてつながっています。

後楽園駅には東京メトロ丸ノ内線と南北線が、春日駅には都営三田線と大江戸線が乗り入れており、どちらの駅からも徒歩約2分でアクセス可能です。

源覚寺の山門が面しているのは、昔ながらの個人商店が並ぶ商店街の大通り。

大きな赤字で「こんにゃくゑんま」(小文字で源覚寺)と書かれた石碑が、「こんにゃくえんま前」の名のつく交差点のT字路に立っています。

すぐ近くには「Bーぐる」(文京区のコミュニティバス)の停留所もありますが、春日駅方面に戻る循環バスなので、利用する際は事前にルートを確認しておくことをおすすめします。

こんにゃくえんまさまの心優しき言い伝え

源覚寺は、寛永元(1624)年に創建された開山400年の歴史がある古刹です。

江戸の三大大火の一つに数えられている明暦の大火(俗称:振袖火事)をはじめとし、過去に四度もの大火に見舞われましたが、幸いにも本尊や閻魔像は無事でした。

源覚寺の閻魔像は、右目が濁って光を失っているのが特徴です。

宝暦(1751~1764年)の頃、眼病を患って日々祈願していた老婆に対し、自分の右目を与えて治してあげたことで片目が盲目になったといわれています。

老婆は好物であった「こんにゃく」を断ち、感謝のしるしとして閻魔大王に供え続けたとされており、以来、眼病治癒の「こんにゃくえんま」として庶民からの信仰を集めました。

閻魔堂の右手には「塩地蔵」も安置されています。

治したい部分に塩をつけて祈願すると病気が治るといわれており、2体で1組となるお地蔵さまの体は塩まみれになっています。

近代的なエリアに隣り合う下町風情の街並み

源覚寺の門前一帯は、江戸時代より門前町として栄えた地域です。

門前に面している「えんま通り商店街」は、文京区内でも歴史ある商店街として知られており、アーケードの上部がマンションになっているのが印象的です。

さらに「柳町仲通り」「小石川すずらん通り」「春日駅通り」の商店街にも隣接しており、穏やかで人情味のある景色が続きます。

その一方で、日本初のドーム球場がある「東京ドームシティ」や、文京区役所が入る複合施設「文京シビックセンター」の高層ビルが至近にあり、少し歩くだけで時代をワープしたかのような気分になるでしょう。

源覚寺のこんにゃくえんまさまは、近代的な発展を遂げたエリアの横で、地域の人々の暮らしを温かく睨み続けてくれているのです。