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川面に向かって咲くソメイヨシノの花景色が続く「神田川桜並木」

自然環境に恵まれている緑豊かな文京区には、魅力的なお花見スポットが多く存在しています。

神田川沿いには、江戸川橋から新宿区の早稲田方面に約2キロメートル続く桜並木があり、川面に向かって咲くソメイヨシノは一見の価値ありです。

川の北岸には地域住民に愛される「江戸川公園」が東西に細長く広がっており、開花時期には多くの花見客で賑わいます。

神田川の変遷とともに姿を変えてきた桜並木

神田川沿いにあるにも関わらず、なぜか「江戸川」の名がついている江戸川公園。

その名称から利根川水系の江戸川を連想しがちですが、関連性はなく、周辺の神田川流域が、かつて「江戸川」と呼ばれていたことに由来しています。

昭和40(1965)年の河川法改正によって、三鷹市にある井の頭池の水源から一貫して「神田川」の河川名に統一されましたが、江戸川橋や江戸川橋駅など、当時の呼び名が残る場所が今もいくつか存在しています。

桜並木の歴史は、江戸川と呼ばれていた明治17年(1884年)頃まで遡ります。

西江戸川町(現:文京区水道)に居住していた大海原氏が、自宅前の江戸川の土手に桜の木を植樹したことがもとで、夜桜見物の船が出るほどの華やかな桜の名所へと発展。

石切橋から大曲までの約500メートルの両岸に、ソメイヨシノなどの桜の木が多い時で241本あったそうです。

しかし、大正時代の神田川の護岸工事に伴って、やむなく桜は伐採。

現在の桜並木は、昭和58(1983年)に新たに植えられて復活したもので、当時の桜並木よりも西寄りの神田川沿いに続いています。

アクセス抜群の都会の桜並木

桜並木が始まる江戸川公園は、東京メトロ有楽町線の江戸川橋駅を出てすぐの場所にあります。

公園の手前には首都高に覆われた江戸川橋があり、橋の上に立つと、川面に向かって枝を伸ばす美しい桜の姿を眺めることができます。

桜の木が植えられているのは公園側の片岸のみですが、公園を過ぎるあたりから対岸にも桜が現れるようになり、花の密集度も一気にアップ。

桜並木は東京に残る唯一の都電、「東京さくらトラム」の愛称を持つ荒川線の早稲田停留場方面に続いており、さらに豊島区の高戸橋周辺まで続くため、JR山手線や西武新宿線、東京メトロ東西線が乗り入れる高田馬場駅からアクセスすることも可能です。

深い歴史や格式の高さが感じられる周辺環境

桜並木が楽しめる神田川沿いは、歴史的なスポットが集結しているエリアでもあります。

関口台地の南斜面に広がる江戸川公園を取り囲むように隣接しているのが、壮大な森の庭園を有する都会のオアシス「ホテル椿山荘東京」。

古来より椿が自生する景勝地に建てられており、明治時代に山縣有朋がこの地を購入し、庭園や邸宅を築いて「椿山荘」と名づけたことでも知られています。

公園を抜けて少し歩いた場所には「関口芭蕉庵」があります。

江戸時代の俳人・松尾芭蕉には神田上水の改修工事に従事した経歴があり、1677年からの3年間、この地にあった水番屋(水質や水量を管理する役人のための詰所)で暮らしていたといわれています。

さらに、大名屋敷の面影が残る池泉回遊式庭園の「肥後細川庭園」も川沿いにあり、どちらも無料で入れるので併せて立ち寄ることをおすすめします。