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和歌の趣味を基調とした温和な大名庭園「六義園」

文京区本駒込にある「六義園(りくぎえん)」は、五代将軍・徳川綱吉の側用人であった柳澤吉保が築園した庭園です。

桂離宮の庭園様式を採用した回遊式築山泉水庭園で、池をめぐる園路を歩きながら四季折々に移り変わる景色を楽しむことができます。

正門のすぐ近くには樹齢約70年の一本桜が植えられており、大木のシダレザクラから薄紅色の花が滝のように咲く光景は圧巻です。

江戸の二大庭園の一つ

六義園は代表的な江戸時代の大名庭園で、同じ文京区の小石川後楽園とともに江戸の二大庭園の一つに数えられています。

徳川綱吉の信任が厚かった川越藩主の柳澤吉保は、1695(元禄8)年、幕府から駒込の地を拝領し、7年の歳月をかけて美しい庭園を造り上げました。

六義園の名の由来は、「詩経」の六義(りくぎ)。

園内には万葉集や古今和歌集など、古典に詠まれた名所が「八十八境」として映し出されており、和歌の心が息づく「和歌の庭」としても知られています。

明治時代に三菱財閥の創始者・岩崎彌太郎の別邸となりますが、昭和13(1938)年に長男の岩崎久彌によって東京市(現・東京都)に寄付され、一般公開されるようになりました。

園内で一番高い「藤代峠」と呼ばれる築山(標高約35メートル)に登ると庭園全体が見渡せて、春にはツツジに彩られた緑豊かな眺望が楽しめます。

通常の出入口は正門のみ

六義園の最寄駅は、JR山手線と東京メトロの南北線が乗り入れている駒込駅です。

駅からすぐ近くの交差点に「染井門」がありますが、通常は閉じられているため(イベント時などに開門)、園内に入場するには正門に回る必要があります。

駒込駅から正門までは、徒歩約7分。

交通量の多い「本郷通り」を南方面に直進し、右折して細い通りに入ると、赤レンガの外周塀の先に重厚な正門が現れます。

また、正門から徒歩約10分の場所には、都営三田線の千石駅もあります。

本郷通りには、文京区内を巡るコミュニティバス「Bーぐる(千駄木・駒込ルート)」の停留所「六義園入口」があるので、千駄木方面からアクセスすることもできます。

六義園の正門近くには、岩崎久彌が設立した東洋学の専門図書館「東洋文庫」に併設されたミュージアムもあるので、あわせて訪れるのをおすすめします。

下町風情の商店街にも近い閑静な住宅街

六義園の周辺は、全体的に落ち着いた印象です。

車の往来が激しい本郷通りが敷地のすぐ近くを走っていますが、外周塀は閑静な住宅街に面しており、赤レンガの塀に沿って歩くと、塀内から空に向かって伸びる樹木の大きさに驚かされるでしょう。

緑豊かな大木が街の音を吸い込んでいるかのような静寂があり、喧騒な本郷通りとは対照的な雰囲気です。

一方、最寄駅である駒込駅の周辺には、庶民的な雰囲気が残っています。

下町風情のある「駒込銀座商店街(通称:さつき通り商店街)」「アザレア通り商店会」「霜降銀座商店街」など、活気ある商店街が複数存在しているため、懐かしさと住みやすさが実感できるでしょう。