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介護サービスとは?介護保険制度の適用となるサービスの種類や自己負担額を解説

介護サービスの利用を検討しているものの、どこへ相談してよいか、そもそもどのような介護サービスが利用できるか分からないという不安をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。。その不安軽減につなげるため、この記事では介護サービスを受けられる対象者は誰か、そしてどのようなサービスが利用できるのかについてご説明します。実際に、介護サービスを利用するための方法や利用負担を減額できる制度などについてもご紹介します。

介護サービスとは

介護サービスとは、公的介護保険にもとづいたサービスの総称です。

公的介護保険の加入者で、介護が必要な人が受けられます。ただし、受けられる介護サービスは、要支援区分および要介護区分により異なります。

介護保険の適用となる介護サービスは原則として1割の自己負担額で利用できますが、一定以上の所得がある方は2~3割の自己負担となる場合もあります。また、要支援区分および要介護区分により支給限度額が決められています。

介護保険サービスの種類

介護保険の適用となるサービスは大きく以下の種類に分けられます。

種類 内容
居宅サービス 自宅に住みながら受けられる介護サービスの総称です。訪問介護、訪問入浴介護などのほか、短期入所生活介護などの短期入所サービス、通所介護などの通所サービス、福祉用具貸与、住宅改修費支給なども含まれます。
施設サービス 施設に入所して受けられる介護サービスその総称です。施設の内、介護保険の対象となるのは指定介護老人福祉施設、介護老人保健施設、指定介護療養型医療施設での介護サービスです。
地域密着型サービス 介護が必要な状態になっても、住み慣れた地域での生活をサポートしていくことを目的としたサービスの総称です。定期巡回・随時対応型訪問介護看護など10のサービスがありますが、利用はサービス提供事業者のある市町村に住む人に限られます。

居宅サービス

居宅サービスとは、自宅に住みながら受けられる介護サービスをいいます。居宅サービスには、以下のような介護保険サービスがあります。

形式 サービス 対象者
自宅に訪問する 訪問介護(ホームヘルプ) 要介護1~5の人
訪問入浴介護 要支援1~2、要介護1~5の人
訪問看護 要支援1~2、要介護1~5の人
訪問リハビリテーション 要支援1~2、要介護1~5の人
居宅療養管理指導 要介護1~5の人
施設に通所する 通所介護 要介護1~5の人
通所リハビリテーション 要支援1~2、要介護1~5の人
施設に宿泊する 短期入所生活介護(ショートステイ) 要支援1~2、要介護1~5の人
短期入所療養介護 要支援1~2、要介護1~5の人
特定施設入居者生活介護 要介護1~5の人
その他 福祉用具貸与 要支援1~2、要介護1~5の人
特定福祉用具販売 要支援1~2、要介護1~5の人

参照:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索|公表されている介護サービスについて」
厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」|介護保険の解説 -サービス編 –

自宅に訪問するサービス

自宅(軽費老人ホームや有料老人ホームなどの居室も含む)に訪問するサービスは、以下の通りです。

【訪問介護】

介護福祉士や訪問介護員が行う、入浴、排泄、食事等の介護、そのほかの日常生活を送るうえで必要となるサービスです。対象となる人は要介護1~5に該当する人です。

【訪問入浴介護】

看護職員と介護職員が持参した浴槽で行う入浴の介護サービスです。対象となる人は要支援1~2、要介護1~5に該当する人です。

【訪問看護】

看護師などが、療養にかかわる世話、または必要な診療の補助を行うサービスです。対象となる人は、要支援1~2、要介護1~5に該当する人ですが、主治医が、利用者の病状が安定しており、訪問看護が必要だと認めた場合に限ります。

【訪問リハビリテーション】

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが、心身の機能の維持回復、日常生活の自立を助けることを目的として、行うリハビリテーションです。対象となる人は、要支援1~2、要介護1~5に該当する人ですが、主治医が、利用者の病状が安定しており、サービスの利用が必要だと認めた場合に限ります。

【居宅療養管理指導】

病院や診療所または薬局の医師、歯科医師、薬剤師などによって提供される、療養上の管理及び指導などをいいます。対象となる人は要介護1~5に該当する人です。

施設に通所するサービス

自宅(軽費老人ホームや有料老人ホームなどの居室も含む)から施設に通所するサービスは、以下の通りです。

【通所介護】

老人デイサービスセンターなどで提供される、入浴、排泄、食事などの介護、そのほかの日常生活を送るうえで必要となるサービス及び機能訓練です。対象となる人は要介護1~5に該当する人です。

【通所リハビリテーション】

介護老人保健施設、病院や診療所で提供される、利用者の心身機能の維持回復、日常生活の自立を助けることを目的とするリハビリテーションです。対象となる人は、要支援1~2、要介護1~5に該当する人です。

施設に宿泊するサービス

【短期入所生活介護】

特別養護老人ホームなどの施設に短期間宿泊し、その施設で行われる、入浴、排泄、食事などの介護、そのほかの日常生活を送るうえで必要となるサービス及び機能訓練をいいます。対象となる人は、要支援1~2、要介護1~5に該当する人です。

【短期入所療養介護】

介護老人保健施設などの施設で短期間宿泊し、その施設で行われる、看護、医学的な管理の必要となる介護や機能訓練、そのほかに必要となる医療、日常生活上のサービスをいいます。対象となる人は、要支援1~2、要介護1~5に該当する人です。

【特定施設入居者生活介護】

有料老人ホームなどに入居している方に、食事や入浴などの日常生活上の支援や、機能訓練などを提供するサービスです。外部の指定介護サービス事業者と連携してサービスを提供する場合もあります。対象となる人は、要支援1~2、要介護1~5に該当する人です。

福祉用具を使うサービス

居宅サービスには、福祉用具のレンタルや購入も含まれています。

【福祉用具貸与】

車いすなどの、適切な福祉用具を選ぶための援助・取り付け・調整などを行った上で、福祉用具(下表)を貸与するサービスです。

対象となる人は、要支援1~2、要介護1~5に該当する人ですが、福祉用具貸与が特に必要であると判断された場合はその限りではありません。

福祉用具 要介護度
手すり 要支援1~要介護5
スロープ 要支援1~要介護5
歩行器 要支援1~要介護5
歩行補助つえ 要支援1~要介護5
車いす(付属品含む) 要介護2~要介護5
特殊寝台(付属品含む) 要介護2~要介護5
床ずれ防止用具 要介護2~要介護5
体位変換器 要介護2~要介護5
認知症老人徘徊感知機器 要介護2~要介護5
移動用リフト(つり具の部分を除く) 要介護2~要介護5
自動排泄処理装置 要介護4~要介護5

参照:厚生労働省「福祉用具・住宅改修」
厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索|公表されている介護サービスについて」
厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」|介護保険の解説 -サービス編

【特定福祉用具販売】

特定福祉用具販売は、ほかの人が使用したあとで再利用することに心理的抵抗があるものや、使用することによって元の形態や品質が変わってしまう可能性のある、腰かけ便座や入浴補助用具などの福祉用具を購入できるサービスです。対象となる人は、要支援1~2、要介護1~5に該当する人ですが、福祉用具販売が特に必要であると判断された場合はその限りではありません。

【特定福祉用具】
  • 腰掛便座
  • 自動排泄処理装置の交換可能部
  • 排泄予測支援機器
  • 入浴補助用具
  • 簡易浴槽
  • 移動用リフトのつり具の部分

参照:厚生労働省「福祉用具・住宅改修」
厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索|公表されている介護サービスについて」
厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」|介護保険の解説 -サービス編

施設サービス

指定介護老人福祉施設、介護老人保健施設、指定介護療養型医療施設に入所して受けるサービスです。

施設・サービス 対象者
介護福祉施設(特別養護老人ホーム) 要介護1~5の人(要介護1~2の人はやむを得ない理由がある場合以外は利用できない)
介護保健施設(老健) 要介護1~5の人
介護医療院 要介護1~5の人
介護療養施設 要介護1~5の人

参照:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索|公表されている介護サービスについて」
厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」|介護保険の解説 -サービス編

介護福祉施設

介護福祉施設とは、特別養護老人ホームのことです。常に介護が必要な介護福祉施設の入所者に、入浴や食事などの日常生活上の支援や、機能訓練、療養上の世話などを提供するサービスです。

対象となる方は、要介護1~5に該当する人です。ただし、要介護1~2の人はやむを得ない理由がある場合以外は利用できません。

介護保健施設

介護保険施設は、老健とも称されます。介護保険施設の入所者に、在宅復帰を目指すために、リハビリテーションや必要な医療、介護などを提供するサービスです。

対象となる方は、要介護1~5に該当する人です。ただし、症状が安定期にあって、介護老人保健施設でのサービスを必要とする場合に限ります。

介護医療院

介護医療院では、病院に入院するほど重症ではないものの、長期にわたって療養が必要である入所者に、療養上の管理、看護、介護、機能訓練、その他必要な医療と日常生活に必要なサービスが提供されます。

対象となる方は、要介護1~5に該当する人です。ただし、症状が安定期にあって、介護医療院でのサービスを必要とする場合に限ります。

介護療養施設

介護療養施設は、介護医療院とほぼ同じサービスを提供する施設です。ただし、2023年度末で制度が廃止されることが決定しています。

地域密着型サービス

地域密着型サービスとは、介護が必要な状態になっても住み慣れた地域で生活ができるように、サポートするサービスです。

先にご紹介した居宅サービス、施設サービスと内容が類似しているサービスもありますが、地域密着型サービスを利用できるのはサービスを提供する事業者のある市町村に住む人に限られており、地域や家族との結びつきを重視した運営が行われています。

サービス 対象者
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 要介護1~5の人
夜間対応型訪問介護 要介護1~5の人
地域密着型通所介護 要介護1~5の人
療養通所介護 要介護1~5の人
認知症対応型通所介護 要支援1~2、要介護1~5の人
小規模多機能型居宅介護 要支援1~2、要介護1~5の人
認知症対応型共同生活介護(グループホーム) 要支援2、要介護1~5の人
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
(地域密着型特別養護老人ホーム)
要介護1~5の人
地域密着型特定施設入居者生活介護 要介護1~5の人
看護小規模多機能型居宅介護
(複合型サービス)
要介護1~5の人

参照:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索|公表されている介護サービスについて」
厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」|介護保険の解説 -サービス編

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることを目的としたサービスです。

定期的な巡回や利用者からの連絡により、入浴、排泄、食事などの介護や療養生活を支援するための看護など、24時間365日必要なタイミングで、利用者の居宅を訪問して、訪問介護員や看護師などが連携して行います。

夜間対応型訪問介護

可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることを目的としたサービスです。

18時~8時の夜間帯にホームヘルパーが自宅を訪問し、定期巡回(排泄介助や安否確認など)と随時対応(救急車手配など)を行います。

地域密着型通所介護

可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるように、利用者の孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的としたサービスです。

地域密着型通所介護の施設は、利用定員19人未満のデイサービスセンターなど小規模です。食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどが提供されます。

療養通所介護

療養通所介護は常に看護師による観察を必要とする難病、認知症、脳血管疾患後遺症等の重度要介護者又はがん末期患者を対象にしたサービスです。

可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるように、利用者の孤立感の解消や心身機能の維持回復、家族の介護の負担軽減などを目的としています。

療養通所介護の施設に通う利用者に、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスが提供されます。

認知症対応型通所介護

認知症の利用者を対象にした専門的なケアを提供するサービスです。利用者の孤立感の解消や心身機能の維持回復、家族の介護の負担軽減などを目的としています。

可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、通所介護の施設に通う認知症の利用者に、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスが提供されます。

小規模多機能型居宅介護

可能な限り自立した日常生活を送ることができるように、施設通所を中心としながら、短期間の「宿泊」や利用者の自宅への「訪問」を組合せて、家庭的な環境と地域住民との交流の下で日常生活上の支援や機能訓練を行うサービスです。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

認知症の利用者を対象にした専門的なケアを提供する入所サービスです。

可能な限り自立した日常生活を送ることができるように、家庭的な環境と地域住民との交流のもとで、食事や入浴などの日常生活上の支援や、機能訓練などのサービスがグループホーム(5~9人の少人数規模)の入所者に提供されます。

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(地域密着型特別養護老人ホーム)

可能な限り自立した日常生活を送ることができるように、入所定員30人未満の介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)で提供されるサービスです。

常に介護が必要な方が入所でき、入浴や食事などの日常生活上の支援や、機能訓練、療養上の世話などが提供されます。

地域密着型特定施設入居者生活介護

可能な限り自立した日常生活を送ることができるように、入居定員30人未満の有料老人ホームや軽費老人ホームなどの入所者に、食事や入浴などの日常生活上の支援や、機能訓練などのサービスが提供されます。

看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)

可能な限り自立した日常生活を送ることができるように、利用者の選択に応じて、施設通所を中心としながら、短期間の「宿泊」や利用者の自宅への「訪問(介護)」、さらに看護師などによる「訪問(看護)」も組み合わせて、家庭的な環境と地域住民との交流の下で行われる、介護と看護の一体的なサービスです。

介護保険制度の適用にならないサービス

介護保険制度の適用にならないサービスもあることも知っておきたいポイントです。以下に、介護保険制度の適用外となるサービスの一例を挙げました。

介護保険制度の適用にはならないものでも、ケアマネジャーなどに相談する事で、良い解決案を提案してもらえる場合もあります。家族だけで抱え込まず、相談する姿勢も大切です。

【介護保険制度の適用外となるサービスの例】

利用限度額を超えるサービス

要支援1~2、要介護1~5、それぞれに介護保険制度の適用を受けられる利用限度額が定められています。その限度額を超えるサービス利用は、介護保険制度の適用を受けられないため、全額自己負担となります。

日常生活の援助の範囲を超えるサービス

庭の草むしりやペットの世話、掃除など日常生活の援助の範囲を超えるサービスは介護保険制度の適用になりません。

直接利用者の援助に関係のないサービス

利用者の家族のための家事や来客対応など、直接利用者の援助に関係のないサービスは介護保険の適用になりません。

介護保険サービスの自己負担額

介護保険の対象となるサービスは、利用できるサービスの量(利用限度額)の範囲内であれば1割(一定所得以上の場合は2、3割)の自己負担で利用できます。サービスによって、区分支給限度額基準内で利用できるものと、区分支給限度額に含まれないものがあります。

区分支給限度基準額に含まれるサービス

居宅サービスなどの利用限度額は、下表のように要支援1~2、要介護1~5で異なります。

等級 1か月あたりの利用限度額 自己負担額(1割の場合)
要支援1 50,320円 5,032円
要支援2 105,310円 10,531円
要介護1 167,650円 16,765円
要介護2 197,050円 19,705円
要介護3 270,480円 27,048円
要介護4 309,380円 30,938円
要介護5 362,170円 36,217円

参照:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索|サービスにかかる利用料」

区分支給限度基準額に含まれないサービス

施設サービスなどは、先ほどご紹介した区分支給限度基準額に含まれないサービスになります。要支援1~2、要介護1~5で利用料が異なるとともに、個室や多床室(相部屋)など住環境の違いによって利用料が異なり、その費用の1~3割が自己負担額となります。施設によって異なる日常生活費は全額実費負担となります。

厚生労働省が示している「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の1ヶ月の自己負担の目安(要介護5の人が多床室を利用した場合)」を一例として挙げます。

施設サービス費の1割 約25,200円
(847単位×30日=25,410)
居住費 約25,650円(855円/日)
食費 約43,350円(1,445円/日)
日常生活費(施設により異なる) 約10,000円
合計 約104,200円

参照:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索|サービスにかかる利用料」

介護保険サービスの自己負担額を下げる制度

特に、施設サービスなど、区分支給限度基準額に含まれないサービスを利用する場合、介護保険サービスの費用が高額になる可能性もあります。そのような時に知っておきたい自己負担額の軽減を図れる制度をご紹介します。

制度 内容
高額介護サービス費制度 月々の利用者負担額の合計額が上限額を超えた時、超過分が払い戻される制度
高額医療・高額介護合算療養費制度 医療保険と介護保険両方に自己負担が生じた場合は、合算後の負担額が軽減される制度

参照:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索|サービスにかかる利用料」

高額介護サービス費制度

月々の利用者負担額の合計額が上限額を超えた時、超過分が払い戻される制度です。上限額は、下表のように、所得によって異なります。

区分 対象者 1か月の負担上限額
第1段階 生活保護を受給している方等 15,000円(個人)
第2段階 市町村民税世帯非課税で公的年金等収入金額+その他の合計所得金額の合計が80万円以下 24,600円(世帯)
15,000円(個人)
第3段階 市町村民税世帯非課税で第1段階及び第2段階に該当しない方 24,600円(世帯)
第4段階 ①市区町村民税課税世帯~課税所得380万円(年収約770万円)未満
②課税所得380万円(年収約770万円)~690万円(年収約1,160万円)未満
③課税所得690万円(年収約1,160万円)以上
①44,400円(世帯)
②93,000円(世帯)
③140,100円(世帯)

参照:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索|サービスにかかる利用料」

高額医療・高額介護合算療養費制度

医療保険と介護保険両方に自己負担が生じた場合は、合算後の負担額が軽減される制度です。年齢や加入する公的医療保険によって、負担上限額は下表のように異なります。

75歳以上
(介護保険+後期高齢者医療)
70~74歳
(介護保険+被用者保険または国民健康保険)
70歳未満
(介護保険+被用者保険または国民健康保険)
年収約1,160万円 212万円
年収約770万~約1,160万円 141万円
年収約370万~約770万円 67万円
年収370万円未満 56万円 60万円
市町村民税世帯非課税等 31万円 34万円
市町村民税世帯非課税
かつ年金収入80万円以下等
本人のみ:19万円
複数:31万円

参照:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索|サービスにかかる利用料」

例えば、年収約250万円、75歳の人は介護保険と医療保険の自己負担額の合計が年56万円なので、負担した額が年60万円の場合、差額の4万円が払い戻しされます。ただし、施設サービスの食費、居住費や日常生活費など介護保険の対象外のものについては適用除外となります。

介護保険サービスを利用する方法

介護保険サービスは、以下のような流れで利用をスタートします。

【介護保険サービスの利用開始までの流れ】

  1. 要介護認定を受ける
  2. 居宅介護支援事業所で相談する
  3. ケアプランを作成する
  4. サービスの利用を開始する

①要介護認定を受ける

お住まいの市区町村の窓口で要介護認定申請後、市区町村の職員などが訪問し、聞き取り調査(認定調査)を行います。

また、市区町村からの依頼により、かかりつけ医が心身の状況について作成した意見書(主治医意見書)と認定調査結果をもとに、コンピュータによる一次判定及び、一次判定結果や主治医意見書に基づく介護認定審査会による二次判定を経て、市区町村が要介護度を決定します。

②ケアプランの作成を相談する

介護保険の利用に際しては、介護(介護予防)サービス計画書(ケアプラン)の作成が必要です。各相談窓口を通じて、介護(介護予防)サービス計画書(ケアプラン)の依頼をします。

居宅介護支援事業所は、お住まいの市町村の介護保険窓口や地域包括支援センターに問い合わせて紹介を受けるほか、厚生労働省が運営する「介護サービス情報公表システム」で検索することもできます。

【相談窓口】

「要支援1」「要支援2」 地域包括支援センター
「要介護1」以上 介護支援専門員(ケアマネジャー)のいる居宅介護支援事業者※

③サービス提供事業者と契約する

介護(介護予防)サービス計画書(ケアプラン)には、どのような介護サービスをいつ、どれだけ利用するかなどの内容が記載されています。その内容に基づいて、利用するサービスを決定し、サービス提供事業者と契約を締結します。

④サービスの利用を開始する

サービス提供事業者と契約締結後、サービス利用が開始されます。サービスの利用開始後も、定期的にケアマネジャーによるモニタリングが行われ、ケアプランの見直しが図られることもあります。些細な不安でも都度ケアマネジャーに相談することで、より良いサービスを受けることにつながります。

まとめ

介護保険制度で受けられるサービスには、居宅サービス、施設サービス、そしてより地域に密着した介護サービスを受けられる地域密着型サービスがあります。

各サービスに含まれるサービスは多岐に渡っており、人によって、必要とするサービスは異なります。介護を必要としないときから、介護保険制度の中で受けられるサービスには、どのような介護サービスがあるか、利用するにはどのような手順を踏めばいいのか、そして費用はどれくらいかかかるのか、などあらかじめ得られる情報については目を通しておくと、いざという時に慌てません。

その上で、自ら、または家族に介護が必要な状態になったときには、まず、お住まいの市町村の介護保険窓口、ならびに地域包括支援センターに相談されてみるとよいでしょう。