老人ホームにはさまざまな種類があり、どの施設を選んだらいいのか悩む方もいるのではないでしょうか。
そこで、本記事では、8種類の老人ホームの入居対象や費用、サービス内容について詳しく紹介します。
希望に合う老人ホームを見つけるには、施設ごとに異なる特徴を理解する必要があります。最適な老人ホームを見つけるために、ぜひ参考にしてください。
老人ホームとは
老人ホームは「民間施設」と、「公的施設」の2種類に分類されます。
それぞれの特徴を以下で詳しく見ていきましょう。
民間施設の特徴
民間施設の特徴は以下の通りです。
経営母体や入居の対象者、種類、費用を以下の表にまとめました。
経営母体 | 株式会社などの民間企業 |
---|---|
入居の対象者 |
※施設により異なる |
種類 |
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入居費用 | 0〜数千万円 |
月額費用 | 10〜40万円 |
民間施設は、株式会社などの民間企業が経営母体の老人ホームです。入居の対象は幅広く、自立から要支援、要介護の方まで対応しています。
入居費用と月額費用は高い傾向ですが、設備やサービスを充実させているなど施設ごとに特色があります。
公的施設の特徴
公的施設の経営母体や種類などの特徴は、以下の表の通りです。
経営母体 | 地方自治体 社会福祉法人 医療法人など |
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入居の対象者 |
※施設により異なる |
種類 |
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入居費用 | 0〜30万円 |
月額費用 | 5〜30万円 |
公的施設は、地方自治体や社会福祉法人、医療法人などが運営する公共の施設です。入居の対象は、施設ごとに要介護度などの目安があります。
公的施設の特徴は、民間施設と比べると安価な費用で利用できることです。そのため、入居希望者が非常に多く、待機期間が数年に及ぶ場合もあります。
なお、公的施設へのは、社会的弱者の救済を目的としているために、入所は単に申し込みをした順というわけではなく「緊急度の高い人」をが加味して順番が決定されます優先されます。
民間施設の老人ホーム一覧
民間施設の老人ホームについて、入居対象者や入居にかかる費用、サービス内容についてポイントを一覧表にまとめました。
入居対象者 | 入居費用 | 月額費用 | 施設サービス | 介護サービス | |
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介護付有料老人ホーム |
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0〜数千万円程度 | 12~40万円程度 |
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提供あり
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住宅型有料老人ホーム |
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0〜数千万円程度 | 12~40万円程度 |
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外部サービスを利用可能。 |
健康型有料老人ホーム |
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0〜数千万円程度 | 12~40万円程度 |
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提供なし |
グループホーム |
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0〜百万円程度 | 15~20万円程度 |
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提供あり
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介護付有料老人ホーム
介護付有料老人ホームには「介護専用型」と「混合型」の2種類があります。
入居対象は、いずれも原則65歳以上で、介護専用型は要介護認定を受けている方、混合型は自立〜要介護5の方まで幅広く入居可能です。
24時間体制で施設の職員が常駐し、介護サービスを提供しています。主なサービス内容は、排泄や入浴、着替えなどの身体介護、生活援助、健康管理、レクリエーションなど。看取りケアを行うところも多く「終の棲家」として利用することも可能です。最期まで施設で手厚い介護サービスを受けたい方におすすめします。
入居費用は、0〜数千万円程度。月額費用は12万〜40万円程度が一般的で、都心部や利便性の高い地域にある施設は高額な設定です。さらに、新築か築年数の古い施設かによっても金額が変わってきます。
住宅型有料老人ホーム
食事の提供や身の回りの生活支援などのサービスが付いた有料老人ホームです。
介護が必要となった場合は、入居者が地域にある外部の介護事業者と契約して、一人ひとりに合った介護サービスを利用しながら生活を継続することが可能です。そのため、自分のペースで選択しながら生活したいという方に向いている施設と言えるでしょう。
入居対象は、サービス内容にもよりますが自立〜要介護5の方。入居費用の目安は0〜数千万円程度、月額費用は12〜40万円程度です。
健康型有料老人ホーム
介護を必要としない高齢者が対象の有料老人ホームです。自立した方を入居の対象としているため、提供されるサービスは、食事の提供と生活相談、安否確認のみとなります。
入居にかかる費用は高額ですが、その分、設備やイベント、アクティビティなどが充実しているのが特徴です。そのため、施設に入居しても、自由度の高い生活を送りたい方に向いている施設と言えます。
ただし、注意点として、健康型では介護サービスの提供がないため、介護が必要となった場合には、契約を解除して、退去しなければならないことが挙げられます。
グループホーム
認知症の方が、5〜9人の少人数で共同生活を送る施設です。認知症の専門的な知識を持った職員から、食事、入浴、排泄などの介護や、レクリエーション、生活相談などのサービスが受けられます。
少人数制でアットホームな生活環境であるため、自宅にいたときに近い生活を希望する方に向いています。
入居の対象は、以下の条件を全て満たしている方です。
- 原則65歳以上
- 要支援2〜要介護5
- 認知症の診断を受けている
- 集団生活に支障がない
- 施設と同じ市区町村に住民票がある
入居費用は、0〜百万円程度、月額費用は15〜20万円程度が目安です。グループホームの賃料(居住費)は、通常の賃貸住宅と同様に、立地の良し悪しで金額に幅があります。
公的施設の老人ホーム一覧
次に、公的施設の老人ホームについて見ていきましょう。
入居対象者 | 入居費用 | 月額費用 | 施設サービス | 介護サービス | |
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特別養護老人ホーム |
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0円 | 6~20万円程度 |
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提供あり
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ケアハウス |
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介護老人保険施設 |
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0円 | 7~21万円程度 |
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提供あり
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介護療養型医療施設(介護医療院) |
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0円 | 8~22万円程度 |
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提供あり
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特別養護老人ホーム
寝たきりや認知症の方など、要介護度の高い方が入居できる介護施設です。原則として要介護3以上の方が対象ですが、特例として認められれば要介護1・2の方も入居可能です。
特別養護老人ホームは、24時間体制で手厚い介護サービスが受けられるのが特徴です。看取りケアも行われており「終の棲家」としての機能もあります。
人気が高く、待機者が非常に多いため、申し込みから入居まで数年かかる場合があります。
ケアハウス
ケアハウスは「軽費老人ホームC型」とも呼ばれます。自宅での生活が困難な方が入居して、食事などの日常生活に必要なサービスを受けながら生活できる施設です。所得に応じた公的な助成が受けられるため、低料金で利用できるのが特徴です。
ケアハウスには、自立型と介護型の2種類があります。自立型では、介護サービスは受けられないため、介護が必要となった場合は、訪問介護やデイサービスなどの外部サービスを利用します。
一方で介護型は、施設の職員から介護サービスが受けられるため、重度の要介護状態となっても、施設に住み続けることが可能です。
介護老人保健施設
介護老人保健施設(老健)は、在宅復帰を目指す方が短期間入所して、リハビリテーションを行う施設です。入居の対象は、要介護1以上の方。入居金はなく、月額費用のみ必要です。
老健の大きな特徴は、施設の医師が常駐し、看護師や理学療法士、作業療法士などの医療スタッフが充実していることです。日常生活の介護を受けながら、医療ケアや手厚いリハビリテーションを受けることができます。在宅復帰を目指す施設のため、入居期間はおおよそ3ヵ月~6ヵ月です。
介護療養型医療施設
介護療養型医療施設は、病状が安定しているものの、医療的ケアと長期療養が必要な方を対象としています。入居できるのは要介護1以上で、自宅での療養が難しい方です。入居金はなく、月額費用のみで利用できます。
なお、介護療養型医療施設は廃止が決まり、2024年3月までに介護医療院へ移行する予定となっています。
老人ホームの選び方
条件に合う老人ホームに入居しても、希望する対応をしてもらえなかったり、入居する本人に合わない環境であったりした場合は、居心地の悪い思いをさせてしまうかもしれません。ここでは、老人ホームを選ぶ際にチェックすべきポイントについて解説します。
看取りの対応
自宅や老人ホームで最期を迎えることを看取りと言いますが、すべての老人ホームが看取りに対応しているわけではありません。また、看取りに対応している老人ホームであっても、看取りの対応や体制は施設ごとに異なります。
そのため、最期まで安心して老人ホームで過ごすためには、入居前に施設の看取りケアの方針や体制について必ず確認をしておきましょう。
なお「看取り対応が可能」な施設であっても、認知症の症状が悪化したり、長期の入院が必要となったりした場合には、退去を求められる可能性があります。施設選びをする場合には、看取りの対応とともに退去要件についてもチェックが必要です。
ケア体制
老人ホームのケア体制も施設選びのポイントとなります。
例えば、職員の人員配置は施設のケア体制の充実度を測るための指標となります。介護付有料老人ホームの場合は、入居者3人に対し、看護または介護職員1名以上の配置が国の最低基準です。
そのほかに、老人ホームのケア体制で確認すべき点は、以下の通りです。
- 看護職員や機能訓練指導員の有無と勤務体制
- 医療機関との連携
- 緊急時の対応方法
- 夜間、早朝の介護・看護体制
- 訪問診療や健康診断の頻度
- 看取り体制
雰囲気
職員や入居者の雰囲気も施設選びで押さえておきたいポイントです。
施設選びには、見学が必須です。実際の様子を見に行くことで、施設の雰囲気を知ることができます。見学時のチェックポイントは以下の4つです。
- 入居者の年齢層、男女比、介護度
- 入居者がいきいきと暮らしているか
- 職員の身だしなみや言葉使い
- 入居者への接し方
立地条件
立地条件も施設を選ぶ際の大切なポイントです。
入居する本人が住み慣れた地域にある老人ホームが望ましいと言えますが、家族が通いやすい場所かどうかも重要なポイントです。
利便性が良い場所で、緊急時にすぐに駆け付けられる距離にある老人ホームであれば、本人も家族も安心できます。
まとめ
老人ホームを選ぶには、まずは、施設の種類とそれぞれの特徴を理解することが大切です。そのうえで、入居する方の身体状況や介護度などを考慮して、条件に合う老人ホームを選択しましょう。また、実際に施設へ見学に行き、施設の雰囲気やケア体制を確認することも施設選びには大切です。